令和6年10月から地域別最低賃金が50円以上UPとなることにより、業務改善助成金の申請を検討された事業所様は多いのではないかと思います。

この助成金は、時給をUPするだけで支給される助成金ではなく、時給UP&生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、「設備投資等にかかった費用の一部を助成」する助成金です。

以前、労働に関する相談窓口の相談員をしていたときに、時給UPするだけで出る助成金だと勘違いされている事業所様からの問い合わせがちらほらありました…。

業務改善助成金についての詳しい説明は以下よりご確認ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03.html

さて、助成金の申請については私個人としては「積極的に何でも申請」ではなく「顧問先様で今やろうとしていることに関し、当てはまりそうな助成金があればご紹介する」というスタンスです。

先日、設備投資をされる予定の顧問先様があり、かつ、最低賃金UPの時期だったため、業務改善助成金を検討すべき案件でした。

ここで、この助成金の申請要件の中の「事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること」という要件が引っかかってきます。

現在の福岡県の地域別最低賃金は941円です。

よって、事業場内最低賃金が991円以下の事業所様でなければ申請ができません。

この事業場内最低賃金については保育事業や介護事業で処遇改善のために加算される「処遇改善加算」が含まれます。

今回の顧問先様については、処遇改善加算の加算対象の事業所であり、時間単価で50円以上支給しているため、業務改善助成金の申請要件を満たすことができませんでした。

上記内容については、労働局には確認していませんが、「最低賃金について処遇改善加算額を含めることの可否」について「可」と示されています。

最低賃金より多く支給しているかどうかについて「含まれ」るが、地域別最低賃金との差が50円以内を確認する際には「含まれない」という取り扱いはしないと考えられるため、今回の申請については見送ることとなりました。

※今から助成金の申請を検討される事業所様は念のため労働局へご確認をお願いします。

ちなみに、業務改善助成金については、交付申請書の提出が終われば時給UPをしてOK、ただし、設備投資は交付決定が出てからになりますのでご注意くださいね。