前回は1か月単位の変形労働時間制についてでしたが、今回は1年単位の変形労働時間制についてです。

休日を増やして、時間外労働や休日労働を減少させ総労働時間を短縮することを目的としています。

1年以内の期間を平均して、1週あたりの労働時間を40時間以内に納めるよう労働時間を配分する制度です。

1年以内→3か月、6か月、9か月などでもOK!ということです。

導入するためには労使協定に以下の項目を定める必要があります。

  • 対象労働者の範囲を定める
  • 対象期間及び起算日を定める
  • 特定期間(対象期間中の特に業務の繁忙な期間)を定める
  • 労働日および労働日ごとの労働時間
  • 労使協定の有効期間

対象労働者は運送業の場合だと「ドライバー」、商社などだと「営業」などが考えられます。経理部なども決算時期に労働時間を多く設定し、他の期間の労働時間を短く設定するなんてこともできますね。

対象期間は1年で設定されることが多いのではないでしょうか。起算日については決算に合わせて、とか年度初め、年始めなどを見かけます。

特定期間については今のところ定めている事業所を見かけたことはないのですが、夏期が忙しい~など季節で繁閑差がある業種などでしょうか?想像力が乏しく、プールや海が事業場の会社くらいしか思い浮かびません…(>_<)

労働日及び労働日ごとの労働時間について、対象期間における労働日数の限度は、対象期間を1年とするなら280日です。また、1日の労働時間の限度は10時間・1週間の労働時間の限度は52時間となっていますので気をつけてください。さらに連続して労働させる日数の限度も6日と規定されています。

労使協定の有効期間は、対象期間より長い期間であればOKですが、適切に運用するために対象期間と同じ期間としておくことをお勧めします。

いろいろ決めなければいけないことは多いですが、うまく運用できればWinWinな労働環境が整えられるのではないでしょうか。